静まり返る感動

エンドロールの役割は披露宴を感動で締めくくることです。 終わりよければ全て良しと言いますが、エンドロールが感動的かどうかで結婚式の印象も変わってきます。 「感動」とは大きな心の動きのことですが、私はこの「感動」を興奮系と鎮静系に分けて考えています。 興奮系の感動はテンションが高揚しノリノリな気分にさせてくれます。 盛り上がる音楽、早いテンポ、斬新な映像、たくさんの笑顔や涙など、分かりやすくテクニカルな表現が興奮させやすくなります。 それとは対照的なのが鎮静系の感動です。 鎮静系は情緒を感じさせ、映画のようなじんわりとした温かさと深い満足感を与えてくれます。 美しい映像美とストーリー性のある構成が必須テクニックといえます。 概ねエンドロールのクリエイターは興奮系か鎮静系のどちらかに大きく分かれます。 一昔前は派手な演出で感情を高ぶらせる興奮系のエンドロールが主流でした。 しかし、近年はシネマティックな雰囲気で情緒を与える鎮静系のエンドロールが主流になってきました。 オープニングであれば期待感を高める興奮系の感動が良いですが、やはりエンディングは深い感動を体験させる鎮静系の感動が向いているといえます。 muvinのエンドロールも鎮静系に分類されます。 私たちが目指している感動的なエンドロール。 それは「会場が静まり返るような感動」を与えることです。 普通であれば見終わった後に拍手喝采が起こる感動を目指すものです。 しかし、その拍手は作り手に対する賛辞であり、感動から発生する拍手では無いことがほとんどです。 つまり本当に感動した時は拍手なんて起こらないんです。 人間は映像作品それ自体のクオリティで感動するわけではありません。 自分の経験や知識などの個人的事情を作品と重ね合わせることによって感動は生まれるのです。 2人の幸せな姿と自分の事情を重ね合わせた感動状態は、思わず余韻に浸り黙ってしまいます。 映像の前半では自分が映っていることで騒いでいた友人男性達も、見終わった後の10秒くらいは皆が静まりかえります。 もちろん披露宴の内容や新郎新婦の個性によっては最後は盛り上げて終わったほうが雰囲気に合う場合がありますので、全ての結婚式に鎮静系感動がよいわけではありません。 しかし興奮系の感動よりも鎮静系の感動を与えることが圧倒的に難しいことは間違いありません。 感動的なエンドロールを作るには会場、進行、個性によって作り方をその都度変えていかなければいけません。 そのためテンプレート的な作り方は通用しないのです。 深い感動を体験させるエンドロールを作るにはどうすればよいのか? そんなことをを常に考えながら私たちは一件一件の撮影を大切にしています。


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